2017年2月28日火曜日

デザインカフェVol.44 ~期間限定uターン中!ソムリエがやってきた!

ソムリエの小松篤さんをお迎えしての、第44回地域デザインカフェ。今回のカフェマスターもすごくいいお話でした。小松さんの話は、いわゆる上手な話ではないんです。でも、そこがよかったです。若者が自分の仕事について一生懸命に話す姿とその内容に感銘を受けました。
小松さんは、幼少期を浦河で過ごしました。両親の仕事の関係で札幌に住むことになり浦河を離れましたが、今でも当地に足を運んでくれています。うれしいですね。高校卒業後、菓子職人から飲食の世界に入りますが、カフェでの経験で接客の面白さに目覚めたといいます。「最初はお客様となにも話が出来なくて悩みました。でも次第に接客の面白さや喜びに気づいていきました。」
 本格的に接客を学びたいと思った小松さんは、札幌でも指折りのレストランに行き 「フロアで働かせてください!」と直談判。料理長から「明日から来い」とOKをもらって以来、給仕サービスとしての修行の日々が始まりました。
「サービスは自分を活かせる仕事です」。自分だったら、どういうサービスができるか、するか、したいかを考えながら真剣に仕事を続ける中、「ソムリエにならないの?」というお客様からの声に後押しされて猛勉強。見事ソムリエの資格を取得し、以降レストランでのサービスの仕事一筋に働いてきました。
 昨年までは上川町にある 「フラテッロ・ディ・ミクニ」で4年間、ソムリエとしてサービスを担当。そこでの経験の中の、まちづくりやもてなしに対する民間とお役所の考え方の違いを具体的なエピソードで話してくれたところは、なかなか面白くて勉強になりました。

 21才でレストランで働き始めてしばらくは、怒られっぱなしだったと言います。「作業はちゃんとできているのに何故怒られるのか、最初は分かりませんでした。」 小松さんのお話のなかで、何度もこの「作業」という表現が出てきましたが、「作業」として働いているうちは仕事は面白くない。そのことにあるとき気づいたそうです。

 以来、「作業」ではなく、正解のないサービスの仕事を自分なりに真摯に探求して来た姿勢がとても伝わってきたお話でした。

「この業界は給料も高くないし労働条件も良くはないです。この金額だからこのくらいの仕事、というのが作業だと思う。作業のところで辞めちゃうから仕事が面白くない。だけど、そこで逃げて、また次で逃げても仕方がない。僕はそう思います。」
仕事は面白いと迷いなく話す若者に出会えて、ほんとうに気持ちの良いひとときでした。 

うらかわ「食」で地域をつなぐ協議会 小山 直